八日目の蝉 ☆☆☆
2011.12.05
カテゴリ:映画
八日目の蝉 ☆☆☆
久しぶりの邦画を見た。この映画は角田光代の原作だが、以前にNHKでドラマ化されていて、原作を読んだカミさんの希望で、DVDを借りて来て観たものだったが、映画化された事で改めて見る事になった。TVドラマ化も映画化も一長一短があり、ドラマは時間的制約があまりない分、原作にある細かな事までを織り込めるが、下手な作り方をすると無駄なシーンの羅列で、想像力が働かない、つまらない出来上がりになったりする。その点を気を付ければ、原作を忠実にトレース出来るドラマの方が有利だと言える。
私は原作本を見ていないが、今回観た映画版は原作のどこに主眼を置くべきかは娘、恵理菜、『薫』に焦点を当て描いている。映画は2時間前後の時間枠に収めなければならないが、観客が原作のどの部分に感銘を受けたのか見誤ると、つまらない映画になりかねない。女性原作者のためか、映画監督のせいか、原因を作った恵理菜の父親の事は掘り下げられてはいないし、三つ子の魂百までは十分理解しても、どこか食い足りなさが残った映画だった。全体を見流す感覚だったら良いのかもしれない。