俺たちに明日はない ☆☆☆
俺たちに明日はない ☆☆☆
何の映画を観るかあてもなく浅草の映画街をぶらついた時に、チケット売り場の前に、等身大の絵と大きく引き伸ばされた写真が飾られていた。車のボディーは穴だらけで、機関銃の集中射撃を受けた後の写真らしく、中には女性らしい影も映っていたように思う。映画の題名は『俺たちに明日は無い』原題『Bonnie and Clyde』と言う実在の強盗犯カップルをモデルにした作品だとコピーがあった。弾痕の残る生々しい写真に食傷したのか、その時は別の映画をチョイスしたように思うが、しばらく後にこの作品を見る事になる。
母と住む家の外に怪しい人影が動き、母の車を盗もうとした男に声をかけるボニー。危うさとその香りに魅かれたのか、町までクライドと一緒に歩くボニー。道すがらピストルを見せびらかすクライドに、それは飾りものかとそそのかすボニー。そして目の前の商店から強盗してみせるクライド。それ以後最後まで行動を共にする事になる二人に、車の整備工とクライドの兄夫婦が加わり、銀行強盗を繰り返す事になる。アメリカは州を超えると追跡が出来ないらしく、強盗を働いては州の外に逃げ込むが、国の法律よりも州の法を優先させる決まりのようで、金を奪っては州の外へ逃げ出していた。警察との銃撃戦で兄は死に兄嫁は両目を負傷、整備工の父親と警察との取り引きで二人にも最期の時がくる。