愛と青春の旅だち ☆☆☆
愛と青春の旅だち ☆☆☆
早くに母親とは死に別れ、それまで顔さえも知らなかった、しがない水兵の父親へ引き取られるが、父親とはただ認知されただけの親子関係。父親の勤務地のフィリピンを飛び出し、職業として海軍航空士官養成学校の道を選んだザック・メイヨ。太平洋岸ワシントン州の海辺にある、13週で士官を育てる厳しい養成校へ入学する。
イタリア系、ポーランド系や黒人、プエルトリコといったマイナーな少数民族が同窓生。社会の底辺にいる彼らが士官になりたいのは、現在より少しはましな生活がしたい。と言う思いからであってエリートになりたい訳ではないのだ。鬼軍曹の目をかすめ規律違反をやったザックは、依願退学を促す猛烈なしごきにあうが、(俺には他に行くところが無い。)と耐えきるのだ・・・。
その町の製紙工場で働くポーラ・ポクリフキとリネット・ポメロイも、女たちは女たちなりの上昇志向で、士官候補生との結婚を夢見てパーティーに参加している。原題『An Officer and a Gentleman』からは程遠い、甘ったるい邦題ではあるが、軍曹役のルイス・ゴセット・ジュニアは、その年のアカデミー助演男優賞を取り、ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズも主題歌賞を取っている。
卒業の時、鬼軍曹にサーと敬礼をして校章を返納するのだが、卒業した時点で貴方は私の上官です。これからは私がサーと言わねばなりません。と、様々にしごきぬいたザック・メイヨに、サーと敬礼をする。ザックは卒業をさせてくれた鬼軍曹に、悪態を交え心から感謝の礼を言うのだ。(もう良いからさっさと行け。)といわれながら。