恵林寺のうぐいす廊下
2015.04.27
カテゴリ:美術館
恵林寺のうぐいす廊下
三年間は喪を秘せと言い残し死んだ武田信玄の菩提寺、恵林寺(えりんじ)。この地に縁が出来て三十数年行き来したが、境内に入ったのも初めてなら寺の中に入ったのも初めてだ。昔観た黒澤明の『影武者』では徳川軍の鉄砲に当たって死んだ事になっていたが、寺の書き物には只単に病死となっていた。はっきりした死因は分からないまま、現代になっても様々な憶測を生む結果になった様だ。武田が滅び、落ち武者をかくまった為、怒った信長が快川和尚ら百人余りの僧侶らを、山門に押し込めて火を放った寺でもある。
徳川の世になり綱吉の側近で権勢をほしいままにした柳沢吉保が、この地の出身いう事で寺を再建したというが、自らも妻共々この寺に眠っている。その時のままなのかは分からないが、歩くと鳴く廊下も残っている。どかどかと足音の方が賑やかだが・・・。