JASON BOURNE ☆☆☆
JASON BOURNE ☆☆☆
『ボーン・アイデンティティー』(2002年)『ボーン・スプレマシー』(2004年)『ボーン・アルティメイタム』(2007年)と続くボーンシリーズ。間に主演者であるマット・デイモンが出演していない『ボーン・レガシー』があるが、今回、『ジェイソン・ボーン』と言うタイトルで主演のマット・デイモンが戻ってきた。1作目がヒットすると2作3作と、柳の下の泥鰌を狙って続編を作るが、回を重ねて良くなることはまず無い。
3作まで製作するのに5年を掛けているが、ボーンレガシーを間に挟んで、今回のジェイソン・ボーンは3作目の『ボーン・アルティメイタム』から8年が経過している。シリーズ化するのなら前3作に共通する役柄、出演者にするのがシリーズを通して繋がるが、唯一一人だけジュリア・スタイルズが出ているだけで、後は皆新メンバーばかりなのだ。主演のマッド・デイモンも1作目から13年が過ぎているので、前3作のような若さゆえの躍動感がない。アクション場面もあるのだがカメラワークで補い妙に痛々しさが募ってしまう。
カーアクションはボーンへの狙撃犯がSWATの装甲車を強奪して、街中を走る車を正面から蹴散らし破壊していくのだが、狙撃犯の乗る車は殆どダメージが無く走り回る不自然さ。ストーリー展開も昇進目的だけのような、それに対する伏線の無いまま、上司をいとも簡単に撃ち殺してしまう等、必然性が希薄に感じるのだ。1,2,3作と出来が良かった分誠にもどかしく残念だし、CIAの上層部がボーンを抹殺しようとする理由が分かりにくい。