コスタリカ
Golfo Dulce,Costa Rica
産出国は中米のコスタリカです。コロンビアに匹敵するほどの優雅な風味とコクのあるコーヒーです。甘味を強く感じ、程よい酸味と苦味はストレートコーヒーとしては、バランスの良い味わいになっています。嗜好品であるストレートコーヒーは、万人向けの味にはなりにくい性格を持っています。コーヒーも農産物である以上、その年々で冷害もあり日照りもあって、微妙にバランスが崩れたりします。そこを考えての焙煎でもあるのですが、ここが評価の分かれる一面でもあります。
コーヒーその他の雑学
1870年代から始まった自由主義の時代に、それまでと同様に主産業だったコーヒー・プランテーションが拡大され、コーヒーを基盤に経済が発展し、1890年には輸出の80%がコーヒーとなっていました。ただし、コスタリカの土地所有形態は植民地時代からの中小独立自営農民による中規模土地所有が主体であったため、他の中米諸国やブラジルのような大プランテーションは発達しなかったのです。また、コスタリカは中米で最も早くコーヒー栽培が開始されたため、コスタリカを通してグァテマラ、エルサルバドルにコーヒーの生産技術が伝播することになっていきました。
後にバナナの栽培にも力を入れ始め、植民地時代には世界でも最も貧しい地域の一つだったのですが、第二次世界大戦後からは「中米の優等生」と呼ばれ、コーヒー・バナナの輸出を背景に、政治の安定とあいまって経済成長が続きました。1960年代以降外資導入による工業化が進み、現在では農業国から工業国となって、中米でパナマの次に豊かな国となっています。主な輸出品は、コーヒー、バナナ、サトウキビ、パイナップル、メロン、コンピュータ部品など。コンピュータ部品は1990年代後半のインテル社の進出によるところが非常に大きいようです。