やんちゃ親父の独り言。更新の間隔を適当に空けて、勝手気ままな事を書いているコーヒー好きのブログです。よかったらお付き合いください。

戦場のピアニスト ☆☆☆☆

戦場のピアニスト ☆☆☆☆

 この映画を最初に見たときはショックで言葉が無かった。序章は戦争を題材にするのだったらこの位のスタートシーンでも良いかなと思わせる、平和な時のポーランドの実写フィルムを使っている。それと同じシーンがストーリーの中のナチスの行進場面に出て来て、段々引き込まれ気分も落ち込んでいく。戦争の真っ只中を、それもドイツ軍支配のポーランドで生き抜いた実在の人物だ。

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 1940年、ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した翌年、ユダヤ系ポーランド人で、ピアニストとして活躍していたウワディク・シュピルマンは家族と共にゲットーへ移住させられる。ゲットー内のカフェでピアニストとしてわずかな生活費を稼ぐも、42年にはシュピルマン一家を含む大勢のユダヤ人が収容所へ送られた。だが運命の悪戯で、ウワディク一人が収容所へ連行される一群から弾かれ、収容所送りを逃れることができた。しかし彼には地獄の日々が待っていた。

 『ローズマリーの赤ちゃん』や『チャイナタウン』、『テス』で知られるロマン・ポランスキー監督が、実在したポーランド人ピアニスト、シュピルマン氏の自伝に、自身もポーランド人でありゲットーから脱出し戦争を生き延びた苛酷な体験を重ね合わせて撮ったのが『戦場のピアニスト』。

 映画の中盤ドイツ軍将校がユダヤ人をうつ伏せにして、拳銃で一人一人の頭をを無造作にまるで標的でも狙うように、撃ち抜いていくシーンがある。撃たれる方も逃げ出す気力が無くなったのか、無駄と悟ってしまったのか、飼いならされた家畜のごとく、撃ちつくした弾丸の詰め替えをじっと待っているのだ。ナチスの残虐な蛮行にも派手な演出をさけ、ありのままに描いているところがまたリアルで見ている者に恐怖を与える。

 また主人公・シュピルマンにもヒーロー的な要素はなく彼のサバイバルをありのままに描いている。シュピルマンを演じたエイドリアン・ブロディは始終困ったような強ばった顔が印象的で、その演技によるところも大きいと思われるが本作は2002年カンヌ映画祭で見事パルムドールを受賞した。ブロディ自身によるピアノ演奏シーンは圧巻、心得があるのか本当に弾いているように見える。

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