プライベートライアン ☆☆☆☆
プライベートライアン ☆☆☆☆
スティーブン・スピルバーグこの監督は、荒唐無稽な漫画チックのものから、シリアスな映画まで、とても守備範囲が広い。私がこの監督を知ったのは、激突と言うテレビ向けのドラマが最初だったのだが、あまりに出来が良かったので、ヨーロッパと日本では劇場公開されている。その他、私は当時何気なく監督の名前さえ気にしないで見たドラマで、刑事コロンボシリーズの構想の死角もあとになってスティーブン・スピルバーグの作品だと知った。どちらも若干25歳で撮ったものだ。
小さな時から8mmカメラを使っての映画作りは父親の基でしっかり作られていたようで、爆発させるシーンなども火薬を使わないでそれらしく見せていたものを、父親の保存するテープで見たことがある。プライベートライアンは、あからさまにCGだと分かるシーンが数箇所あるが、ドラマとしての組み立ても悪くなく、本人自身もユダヤの血を引くことで、思い入れ深く製作したように思う。
1944年6月。ノルマンディ上陸作戦は成功に終わったものの、激戦に次ぐ激戦は多くの死傷者を出していた。そんな中、オマハビーチでの攻防を生き延びたミラー大尉に、落下傘兵ライアン二等兵を戦場から救出せよという命令が下された。彼には3人の兄がいたが、全員が死亡。兄弟全てを戦死させる訳に行かないと考えた軍上層部の決定であった。ミラーは中隊から7人の兵士を選び出し、生死も定かでないライアン二等兵を探すために戦場へと出発するのだが。