私ゃアンタの傍が良い
私ゃアンタの傍が良い
県道から少し大きめの車だったらすれ違えない坂道を上ると、これまた斜面を切り開いて、一か所数台ほどしか止められない駐車場が幾つかに分散する蕎麦屋、蛍がある。古民家を改造した歴史を感じさせる大黒柱に黒光りする床や梁。大型の鍋とそれに見合うかまどに薪をくべ、ご主人が蕎麦を茹で盛り付けをしている。ご主人と奥さんの二人三脚で切り盛りしているらしく、奥さんが蕎麦を運んだり後片付けをしたりと飛び回っている。
私ゃは蕎麦っ食いなので香りや味が分らなくなる事はしたくない。と思う。カミさんの頼んだものは蕎麦の実だけを挽いた蕎麦と、ゴマとクルミをすり鉢で自分で擂ったものと天婦羅の盛り合わせ。天婦羅は最初二人前を頼んだら、量がとても多いので一皿で十分だとの奥さんの話でその通りにするが、やはり量が多くその一言があって信頼感が増す。
文字通りのざるだが底が深い分、食べ始めると蕎麦の量が多く食べ応えがある。(信州信濃のそばよりも私ゃアンタのそばが良い)。なんて言うが私ゃ本場信濃の蕎麦が良い。
運ばれてきた蕎麦を写真に撮るのも忘れて手繰り込んだから天婦羅も半分ほどに減り。
一日空けて翌々日にも蕎麦を食べに行き、今度は味が分かった私が胡桃だれを注文。
忙しいからと客をぞんざいに扱う事も無く、親切丁寧に対応しているから、食べ終わった清算前のお客が結構待たされる事になる。そのためにお会計処には座布団が・・・。