俳優 西田敏行氏 生きていくあなたへ 故郷への思いと怒り
俳優 西田敏行氏 生きていくあなたへ 故郷への思いと怒り
私と同年代の俳優、西田敏行氏。西田氏の故郷福島県は人災と言うべき、原発事故という未曾有の被害を受けて、収束もおぼつかないどころか、ますます悪化しているようにも見える。原発周辺は立ち入り禁止区域が広がりそうな気配で、ここに来て妙な風評被害も出始めているようで、これからどうなっていくのか、住民たちの心配も尽きないだろう。
今日の朝日新聞に大好きな故郷への思いと、原発を推進したもの達への怒りが寄せられていた。推進した役人、政治家たちは今となっては口を拭ってだんまりを決め込んでいるだろう。絶対安全だと言った者達は、現場に立ち同じ事をもう一度言ってみろと、私は声を大にして言いたい。責任を問われない奴らは言いたい放題、やりたい放題をこれまでやって来たのだ。
今度だけは怒りを
中学を出るまで福島県郡山市で育ちました。僕の情操を育ててくれた故郷です。仲良しの友や恩師もいて、時折、わいわい酒を飲みます。地震と津波があって、福島第一原発のことがあるから、いたたまれない気持ちでいっぱいでね。我慢強い人が多い福島ですけど、今度だけは、ね。東京電力や原発を進めてきた政治家、たちに怒りの声を張り上げたい。
あの原発がつくる電力は地元で使うものではなく、首都圏のためでした。なのに受け入れてきた。安全と説かれてきましたが、今回のことはきちんと「想定」されてきたのでしょうか。今、20㌔圏内の人は、行方の分からない家族を自ら捜しに行くこともできない。放射性物質に「汚染」されていると言う人がいる……。
もちろん、命をかけて現場で働いている方々には感謝しています。こんなことを言ったから事態が早く収まるわけもない。でも、故郷のことは今、ちょっと落ち着いて語れないんです。