ニーベルングの指輪 ☆☆☆☆
ニーベルングの指輪 ☆☆☆☆
『ニーベルングの指環』は、北欧神話から題材を得ての作品で、リヒャルト・ワーグナーの書いた楽曲にも同じ題名の作品がある。ワーグナーの方は全15時間にも及ぶ舞台劇で、四夜に分けて公演するが、映画はその中の一つのエピソードを、3時間のストーリーとしてまとめたもののようだ。
ワーグナーの舞台劇を見た事の無い私は、これはこれで史劇の様に見る事が出来たが、ニーベルング族の財宝を守る、とてつもなく大きな龍を退治したり、その龍の血を浴び不死身になったり、仮面をかぶると好きなものに化けられたり、亡霊が出たりと漫画チックな部分も盛りだくさんだ。
結婚する相手は、あらゆる武術に長け、自分より強い男を望む北国の女王。ある夜、預言者のお告げ通りの男と出会った女王は、男と一夜を過ごした後、北の国での再会を誓いあう。初めての男を思い続ける北国の女王と、魔法を掛けた媚薬を飲まされ、その記憶を消された男。久しぶりの再会の時、女王は何故自分の事を忘れたのか理解できず、本人と向かいあい質すが、男には全く記憶が無く、諦めきれないまま他の男との結婚を決める。
忘れられない女王は、自分たちの結婚式に男との試合を望むが、強いはずの男に手加減され恥をかかされたと、王である夫に裏切った男の殺害を命じさせる。後に夫となった王の妹から真実を知らされるが、時すでに遅く王の従者に、背後から槍で殺されてしまうのだ。そのニーベルング族の男が王も殺した事で陰謀と気づき、女王は自らの剣でその男を殺す。葬儀の時、愛した男の遺体は湖に浮かべた船に乗せ、火を放つが、燃えて沈みゆく船に女王の姿があった。愛した男の剣で、自らを刺し貫き一緒に湖底に沈んでいく。