東京家族 ☆☆☆☆
2014.02.01
カテゴリ:映画
東京家族 ☆☆☆☆
“Sight & Sound”誌オールタイム・ベスト(2012年版)の、監督が選ぶ世界の映画トップ10の、上位100作品が公式サイトで公表されましたが、ベスト1に輝いたのは1953年に公開された小津安二郎監督作品『東京物語』でした。ローアングルから狙う独特のカメラワーク、ワンカット、ワンカットはカメラを振る事も無く、まどろっこしいほど丁寧なカット割りの世界を築いた監督です。会話としての台詞等は、相手が完ぺきに話し終わるのを待って、自分のセリフを言うので、先を読んで相手が喋っているところへ被せる会話が無い。のどかさで日本を代表する映画です。この映画は一時期の日本人の生活を丹念に描きながら、今は出来なくなった制作手法を評価されたようです。
その小津作品である『東京物語』を、 山田洋次監督がリメイクしたのが『東京家族』です。'53年当時を現代に置き換えたので、多少設定を変えてありますが、実の親子関係でありながら親から子への遠慮と、娘から親への甘え等は小津作品を踏襲しています。カメラも多少ローアングルもありながら、小津作品そのままの固定カメラに終始しています。
恋人の母の為に朝食を届けに自転車で。
病院の屋上で父と子。母さんが死んだ。