海街 diary ☆☆☆☆
海街 diary ☆☆☆☆
十数年前に家族を捨てて家を出た父の訃報が、鎌倉で暮らす三姉妹の元に届いた。長女の香田幸は看護師という不規則な勤務のために自分は行けないと、代わりに次女の佳乃と三女千佳を、父の暮らしていた山形の温泉地に向かわせるのだった。葬儀の最中都合をつけて駆けつけた幸は、父の残した忘形見の浅野すずの存在を知り、自分たち三姉妹と鎌倉で暮らすことを提案するのだった。もとより父も亡く血縁のなくなったすずに断る理由はなく、三姉妹の四女として鎌倉での生活や、学校の部活にもすぐに溶け込んでいった。
佳乃が飲むために焼酎を加えた梅酒を、間違って飲んだすずは酔っ払って義母や父への溜まっていた鬱憤をぶちまけるが、三姉妹にも三人三様に仕事や恋の悩みがあった。貢いだ挙句恋人に捨てられる佳乃。三女の千佳は佳乃にあいつの趣味が分かんネ。と言われながらアフロヘアーのスポーツ用品店長と仲がいい。父と同じように姉妹とは別に北海道で暮らす母は、姉妹が暮らす古ぼけた家を処分しろ言う。言われた幸は身勝手だと激しく反発するが、叔母にたしなめられつつ、母はあなた達はいずれはこの家から巣立つと言う。
幸は、自分たちの父に対する言い方から、すず自身が不倫の子と感じていることを知るが、幸の恋もまた職場の医師との不倫だったのだ。アメリカに先端医療の研修に行くので、一緒に行こうという恋人に別れを告げ、末期の癌と宣告された、子供の頃から親しい食堂の女将・幸子の最期を緩和ケア病棟で看護師として看取った幸。葬儀の後、稲村ヶ崎の浜を四人で歩きながら、自分たちの将来に思いを馳せ、50年も経てば皆同じようにおばあちゃんよと笑い合い、鎌倉の古い家での日々を重ねて行くのだった。