やんちゃ親父の独り言。更新の間隔を適当に空けて、勝手気ままな事を書いているコーヒー好きのブログです。よかったらお付き合いください。

看護学校の生徒が一人

看護学校の生徒が一人

中央手術室

 手術当日の朝は口に出来るのは水だけで、後は手術着に着替えて迎えを待つ。この手術着はワンピース構造で要所要所がホックになっていて、あっという間に裸に出来る仕組みになっている。事前に手術着の下はパンツだけと言われていたが、手術室サイドとしては、パンツさえも履かないでほしいと言うのが本音だろう。なぜか、それは後程。9時前にはストレッチャーが病室まで迎えに来て、大型エレベーターで手術室迄運ばれていく。

 この手術室、一度に10人の手術が出来ると言い、この朝は俺も含めて9人が手術に臨む事になった。9人が同じドアから入って、其々の手術室に振り分けられる。ストレッチャーから見えるのは天井だけで、その横を別のストレッチャーがすり抜けて手術室へと入っていく。術前術後専任看護師が言う。早めに来たのに後回しになって御免なさい。手術室の看護師が後を引き継ぎ俺を手術室へと運んでいく。執刀医と看護師が2~3人と麻酔医の構成のようだ。患者認識コードをスキャナーで読みつつ、本人にも名前の確認をする。

 袖を外しますね。と言いながらホックを外して、動脈や静脈に針を刺し胸をはだけて心電図用のコードを繋いでいる。手術室中に響き渡る俺の心音。あれ、不整脈が出ていると俺の独り言。執刀医が大丈夫かと聞いてくる。大丈夫です。よろしくお願いしますと俺。動脈に刺さる針のあたりに圧迫感がありますよ。と麻酔医の声がして意識が途切れた。

 意識が戻ったのは手術室の中だと思うが、途端に強烈な痛みが襲ってきて思わず痛い。すかさず専任の看護師が仰向けのままの俺の脚を少し広げて座薬を入れる。この座薬は睡眠成分も入りよく効くこと。その時点で我が身はすっぽんぽんだと悟り、尿道にも管を入れられている事が分かった。手探りで確認すると紙パンツだ。俺のパンツはどこへ行った。手術痕にも血栓予防の管が入り体中管で繋がられた状態になり、手術場所が首だけに固定されたままでは寝返りも打てず、ナースコールをするようにと厳重に言われる。

 俺のパンツは手術室からカミさんの手に渡っていた。意識の無くなった人間のパンツを脱がせるのは大変だと思う。だからと言って、端から手術着の下は何もなしと言うのも患者的には抵抗があるのだろう。術後頻繁に様子を見に来る専任看護師と病室担当看護師の二人には本当に助けられた。術後2日余りは痛みで眠れないことに加え、寝返りが自由に出来ない苦しさで、我儘のし放題だったからだ。その事とは別に看護学校の生徒が一人、痛みがやまない時に話し相手になってくれて、どれだけ気が紛れたか感謝に堪えない。

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