いつの頃からか行かなくなった映画館
いつの頃からか行かなくなった映画館
面白そうだなと思うと頻繁に足を運んだ映画館、気に入った映画は何度でも納得いくまで見てしまうタイプで、ビデオもDVDも無かった時に、台詞も空で言える位観た映画がある。それにジャンルは問わないと昔は思って観ていたのだが、歳を重ねて思い切りこだわって観ていることに気が付いた。漫画チックなもの(漫画ではない)は最初から見る気が無く、ストーリ展開がしっかりしている映画、緊迫感の途切れない映画が好きなのだが、この点は昔も今も変わらない。
私が子供の頃と今も変わらないのは館内での飲食だ。小さい頃大人に連れて行かれる映画は、私にとって面白いものではなかった。空調などは無かった時代の夏場の定番はアイスクリーム。それが楽しみで大人の映画について(連れて行かれた?)行くこともあった。アイスクリームを食べ終わると、ストーリーは理解出来ずに後は寝るだけだ。別に騒いで観客に迷惑をかける訳じゃなく、親にゆったり映画を見させるとても良い子であった。
社会人になり好きな映画を見始め、ロードショー、名画座と覘き、映画生活を満喫していた。そんな時やはり私と同じように大人の都合で連れて来られている子供達がいた。館内で売っているポップコーンと、どうやら持ち込んだらしい、がさごそ音のする袋入りの食べ物、俺は映画館でポップコーンを売ること自体疑問に思っている。結構気になる音を発するからだ。
子供軍団はすぐ飽きてしまいぐず付き始めたのだが、親は叱っている風だが言う事を全く聞かない。そのうち親の声の方が気になり始めた。私は思うそんな時、親は子供をロビーに連れ出さなくてはいかん。他の観客に大いに迷惑だからだ。それを気にしていたら今度は、私の後ろの観客が背もたれに何度もぶつかって来るようになった。こうなると気が散って映画を観ている場合ではなくなってしまった。
いらいらして、腹を立てながら映画を見てもつまらない。そんな事で映画館には足が向かなくなってしまったし、家でそれなりの設備で観ている方が精神衛生上すこぶる良いと思う。だが映画館の巨大スクリーン、大口径のスピーカーより出る音は、大いに魅力的ではあるのだが。