アイズ・ワイド・シャット ☆☆☆☆
アイズ・ワイド・シャット ☆☆☆☆
スタンリー・キューブリック、この監督の作品を見るようになったのは、2001年宇宙の旅がきっかけだった。私はその監督とか人物が気に入ると結構追っかける癖があり、この監督もその一人だが、だからと言って2001年より前のものは見てはいない。だがキューブリックの映画だと知らずに見た映画が一本だけある。2001年の前に撮ったスパルタカスだ。内容からこの監督のものだとは全く気が付かなかった。
'68「2001年宇宙の旅」'71「時計じかけのオレンジ」'75「バリー・リンドン」'80「シャイニング」'87「フル・メタル・ジャケット」'99「アイズ・ワイド・シャット」と続くのだが、最後の作品アイズ・ワイド・シャットは人間の深層心理を的確に表現したようにに思う。日々何事も無いかのように過ぎて行く事への妻の不満。妻に告白されて気が付く夫の胸中とその後の行動。
詳しく内容を書くことよりも、ぜひご覧になることをお奨めする完璧な大人の映画だし、とても難解な映画を撮る監督としては、比較的分かりやすく入って行きやすい映画だと思う。私にとってはニコール・キッドマンを知るきっかけになった映画でもある。この後からキッドマンの出ている映画を積極的に追いかけ始める。
成功した医師、美しいその妻。映画の冒頭、ニューヨークの豪壮なアパートメントのバスルームの中、ドレスを身にまとったキッドマンが便座に座っているその横で、クルーズが鏡を眺めてネクタイを直しているシーン、観客はこの二人のプライベートを覗いているような錯覚に襲われる。そこからすでに、キューブリックの“たくらみ”が始まっているのだが。その後、二人は知人のパーティーに出かけていき、そこから異常な事態が次々に展開していく。