冬至かぼちゃ
冬至かぼちゃ
今日は暦の上では夜が一番長い日だと言われているが、天文学的には少し違うらしく、冬至を境に日の出がもっとも遅い日は冬至の半月ほど後、日の入がもっとも早い日は冬至の半月ほど前になるらしい。朝は今でさえ起き出す時間は暗い内なのに、正月三箇日辺りが夜明けが一番遅いことになって、ベッドから起きだすことがいよいよ寒く億劫になってくる。
私が幼い頃、母方では冬至かぼちゃをこしらえてくれた。かぼちゃ其の物が不味く、大人たちが誰も口にしなかったものを、私一人で抱えて食べてしまったと、後になって祖母が笑いながら話してくれた事がある。今でこそ、そんなに食べるものではないが、名残としてパンプキンプリン等は今でも好きだ。
現在は野菜が季節に関係なく供給されているが、西洋野菜が日本に入るまでこの時期に取れる野菜は少なく、保存できる野菜も少なかったようで、かぼちゃは保存がきき、保存中の栄養素の損失が他の野菜に比べて少ない。そのため、冬至の時期の貴重な栄養源になったようだ。
冬至かぼちゃは江戸時代に普及したが、江戸時代中期から風邪や中風の予防にかぼちゃを冬至に食べる風習が根付いたといわれている。これは、当時、冬場に野菜がとぎれてビタミン類が不足することからで、これは、日本かぼちゃしかない時代に始められた風習のようだ。