ゴッドファーザー Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ ☆☆☆☆☆
ゴッドファーザー Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ ☆☆☆☆☆
私が社会人になり立てだった頃の新聞、映画館で観るニュースには、アメリカからの血生臭い映像が結構頻繁だった。ギャングの誰それが機関銃で撃たれた、撃ち合ったなど、枚挙に暇が無いほどで、今でこそ凄惨な写真はぼかしを入れたり、顔が映らないように編集して紙面に載せるようだが、異国の出来事であまり神経を使わなかったのだろうか、路上に倒れている血だらけの写真(モノクロだった)を見るにつけ、アメリカと言う国はなんと言う物騒なところなのかと思ったものだ。
“アメリカは良い国です”で始まるこの映画の舞台はそれより少しさかのぼった時代より始まる。まだギャング同士が共存していて、表立った争いが無い時に麻薬の取引の話が持ち込まれる。うまい話なのだが、ドンは自分の主義ではない麻薬には手を出さないと相手に理由を説明し伝えるが、相手はドンと長男達の意見が割れていることに目をつけ、ドンの殺害を企て失敗してしまう。
どうしても抗争を避けたいドンは、自分も襲撃され大怪我、長男も殺されながらも終息させようと試みるが。・・・・ストーリーの中で歌手が言う自分がこの映画に出たら、人気が回復するといっている映画は、“地上より永遠に”と思われる。それを踏まえてみると中々興味深いし、当時のフランク・シナトラの状況を重ね合わせて見ると尚面白い。
コルレオーネ家の屋敷では主人であるドン・コルレオーネの娘コニーの結婚祝賀宴が豪勢にとり行われていた。太陽の下では故郷を同じくするイタリア人が老いも若きも陽気に唄い踊っている。この時のイタリア語は訳されていないのだが、ジェスチャーだけで笑えるからどうも下ネタっぽい。一方、邸の隅にある書斎では昼にも かかわらずブラインドが降ろされ、古い友人たちを迎え入れている。客たちの中には表沙汰にできない問題を抱えている者があり、彼らは密かにドンの庇護を求めてきたのだ。
宴の中、大学を中退して従軍、英雄として復員した三男のマイケルが恋人のケイを伴い久しぶりに帰宅する。初めてマイケルの家を訪れたケイは彼の長兄ソニー、次兄のフレッド、兄弟同然に育った弁護士のトムを紹介される。突如現れた人気歌手ジョニー・フォンテーン(モデルはフランク・シナトラと言われている)に目を丸くしてマイケルに種明かしをせがむ。マイケルはドンが非合法な手段によりこの歌手を救った過去を明かした。
驚くケイに対し、マイケルは自分は彼らとは家族として重要な存在だが、その家業には無縁であると誓う。ドンもまたマイケルが堅気の生活を送ることを強く望んでいた。自分の道を歩こうとするマイケルはケイと恋人同士の時間を過ごす。賑やかなニューヨークの街中をデートする二人。ふとスタンドで売られている新聞を見たマイケルは驚愕する。そこにはドン・コルレオーネが銃撃された記事が載っていたからだ。