2001年宇宙の旅 ☆☆☆
2001年宇宙の旅 ☆☆☆
この作品は映画産業がまだ全盛の頃、新宿のオデオン座(今となってははっきりしないのだが、伊勢丹の交差点、交番の前を地下に入った所)で立ち見で観た覚えがある。難解な映画でリアルタイムでは消化できず、のちになってDVDで観なおして見たけれど、やはり難解さは変わらず、理解できない部分がそのまま残っている。ただ宇宙空間の様子はこの様なものではないかと思わせ、言わば嘘っぽくない映像は素晴らしく、今だったらCGで難なく作れてしまうものを、アナログ的に綿密に計算して撮影したのだから、当時の撮影技術としては最高レベルだったのではないかと思うのだ。
その一つに当然宇宙は大気がなく空気の揺らぎがない。邪魔をするものがないから、遠近感はあっても遠くも近くもくっきりと見えるという事だ。今のカメラはオートフォーカスで、写す対象には必ずピントが合う。昔のカメラはは焦点深度等を考えて、どの辺りまでピントを合わせるかなどと思いながら、絞りで調整したもので、遠くも近くもしっかりピントを合わせたかったら、光源を強くそして絞りは最高に絞ったものだ。それと同じ様な撮影の仕方をしているのではないかと私は思う。
ストーリー展開は観客としては説明され過ぎると飽きてしまい、それが足りないと難解さが出てくると言う厄介さが付きまとう。それはさじ加減が非常に難しく脚本と監督の手腕が問われる所以だと思う。