やんちゃ親父の独り言。更新の間隔を適当に空けて、勝手気ままな事を書いているコーヒー好きのブログです。よかったらお付き合いください。

藤沢周平 花のあと ☆☆

藤沢周平 花のあと ☆☆

画像の説明

 第一印象は一昔前の映画を見ているようで、カット割りも台詞回しも実にまどろっこしい。私等と世代の違う小津安二郎の作品を見ているような、ある意味どこかのどかで、のんびりした展開に戸惑ってしまった。人の会話などはある意味生き物で、何を言うのか察した時点で相手の話が終わらないうちに、こちらの話をかぶせてしまう場合もあると思う。それをやらないまでも相手の話を聞き終わって、間髪を入れずに自分の主張を言う場合もあるだろう。それらがなく前半の間延びしたシーンの連続にくたびれてしまった。

 現代俳優に侍言葉を言わせるのは至難の業で、俳優自身熟れていないし、それが為に台詞が棒読みになってしまっている。相手がしゃべり、こちらもそれに対して返していく訳だが、その間、数秒の間があり、表情とか仕草で補うのかと思うとそれもない。後に以登の亭主になる片桐才助が出るシーンで、やっと救われる気持ちになるのでは真にいかん。製作期間のこともあるし予算の事もあるだろう。だが肝心の台詞回し、所作が熟れていなくては、作品全体が台無しになる。

 もう一つ気になる事は、藩の重臣を含めて少なくとも、数人が死んでいるか重傷の筈なのに、その事には何も触れていない。この時代、私闘ご法度の藩が多いはずなのに、藩の中で何の問題にもならなかったのか。以登を一人で帰して片桐才助一人で後始末が出来たのか、何も分からないまま、のどかなシーンに戻ってしまって、未消化の映画になってしまった。

敵討ち

 舞台は江戸時代。東北の小国、海坂藩。満開の桜の下、五百石取りの一人娘以登は一人の若い武士と出逢う。下級武士ながらこの藩、随一の剣士である江口孫四郎。 自らも男に引けを取らぬ剣を遣う以登は数日後、父の計らいで一度だけ孫四郎と竹刀をまじえる事に。女と侮ることなく、その家柄におもねるでもなく、まっすぐに以登の剣と向き合う孫四郎。激しく打ち合いながら以登の胸を焦がしていたものは、決して叶う事のない恋だった。

 以登には家の定めた、片桐才助という許婚がいた……。意に沿わぬ運命に抗うことなく、以登は孫四郎への思いを断ち、江戸に留学している許婚の帰りを待ち続ける。その折も折、父より江口孫四郎が江戸で腹を切って果てたことを知らされる。その訳を知りたい以登は許嫁の片桐才助の力を借りて、藩の重臣の罠にはめられたことを知る。そしてただ一度竹刀を交えた相手のために、以登は敵討ちを決意するのだが。

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