やんちゃ親父の独り言。更新の間隔を適当に空けて、勝手気ままな事を書いているコーヒー好きのブログです。よかったらお付き合いください。

山桜 ☆☆☆

山桜 ☆☆☆

藤沢周平

 最初の結婚で夫に先立たれた野江は、意に沿わぬ二度目の結婚生活を送っていた。伯母の墓参りの帰り、今が盛りの大きな山桜を見つけ、花に手を伸ばすが届かない。そこへ通りかかり枝を折ってくれた侍は、今の婚家に嫁ぐ前に縁談を申し込んできた手塚弥一郎だった。剣の使い手は乱暴者という先入観を持っていた野江は、その物腰の優しさに自分の判断は間違っていたのだと知る。今の婚家、磯村での日夜は幸せではなかったのだ。

 凶作が続き藩の財政の危うさに乗じて、重臣諏訪平右衛門は私腹を肥やしていたが、婚家はこの諏訪に取り入って儲ける算段をしていた。藩内の不満や農民の申し立ても、諏訪が握りつぶした事を知った手塚は、城中で諏訪を切るが、お咎めは江戸から帰る殿を待っての判断になった。野江は磯村と離縁し、奸臣を打った手塚が許される日を祈りながら、手塚の母、志津と共に待ち続けるのだった。再び巡って来た山桜が満開のころである。

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