ディア・ハンター ☆☆☆☆
ディア・ハンター ☆☆☆☆
通常、人は同種である人間を殺す事に強い抵抗感を持つと言うが、戦場で敵と遭遇した場合、殺さなければ確実に殺される事になる。日常生活での人の死は頻繁にある事はない。戦場ではそれは常態化して死や殺す事に麻痺し、麻痺しきれなかった人間は心を病んで行く。ベトナム戦争末期、北ベトナム軍に捕らえられ、銃で脅されながら仲間同士ロシアンルーレットに命を掛け、命を落としたアメリカ兵達。そこから脱出したマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)達同郷の三人だが、途中スティーブンは足に大怪我を負ってしまう。
サイゴンが陥落しようとする混乱の時、マイケルはニックを見かけそして見失ってしまう。戦場での怪我で両足を無くしたスティーブンの病院へ、サイゴンから差出人不明の大金が定期的に届いていた。マイケルは故郷に帰還した時にそれを知り、差出人はニックだと確信、再度ベトナムに行きサイゴン周辺を探し回る。一時は恐怖に感じたロシアンルーレットだが、究極の刺激なくしては生きられなくなったニック。ニックを見知っているブローカーに誘われ、自らのこめかみに銃口を当て大金を稼ぐ闇社会で生きていたのだ。
やっとの思いで探し当てた親友ニックは、日々命を掛けたストレスのため自分を見失い、そうして命を掛けて救おうとするマイケルさえも寄せ付けず銃口をこめかみへ。
1978年公開のアメリカ映画。監督は『天国の門』のマイケル・チミノ