昨日の続き 義和団の乱
昨日の続き 義和団の乱
この籠城戦にあって日本人武官 柴五郎(映画の中では柴大佐として伊丹十三が演じている)の存在は大きく、籠城戦成功に多大な寄与をしたと言われている。柴五郎は当時砲兵中佐の階級にあり、北京公使館付武官として清朝に赴任していた。籠城組は各国の寄り合い所帯だったため、まず意思疎通が大きな問題となり、英語・フランス語・中国語と数ヶ国語に精通する柴中佐はよく間に立って相互理解に大きな役割を果たした。
また籠城組の全体的な指導者はイギリス公使クロード・マクドナルド (作品の中ではデビット・ニーブン演ずるアーサー・ロバートソン卿 )だったが、籠城戦に当たって実質総指揮を担ったのは柴五郎であり(各国中で最先任の士官だったため)、解放後日本人からだけでなく欧米人からも多くの賛辞が寄せられたと言う。
紫禁城と言うごく限られた空間での戦闘は、中国一般市民の協力がなくては成り立たず、後に柴五郎はそのことを回想している。昨日も触れた事だが、日本人として残念なのは、今日書いた様な事が、全くと言って良い程描かれてなく、アメリカ主導で勝った様になっている事だ。
当たり前に言語は英語を使っているのだが、西太后はもちろん、一般庶民迄が流暢な英語を話すのは、リアルタイムで観た時から違和感を持ち続けてきた。これは最近の作品ではありえない事で、現地語は現地語として、話している事は必ず字幕で表示されるが、当時のハリウッド映画の殆んどは、土着の人もこのような流暢な英語を話す作品になっている。